籾摺り(3)

磯田 和秀

籾摺り臼制作二日目、ようやく完成したかと思ったら、米が粉々に砕けた。そのくだりは前回書いた。上臼が重すぎるからだろうということで、削って軽量化することにした。三日目に突入する。作るのも疲れてきたが記事を書くのも疲れてきた。

この記事は試行錯誤の過程を記しているので、手っ取り早く作り方を知りたい人は、ただちにここを離れて別のサイトに行かれることをお勧めする。例えば、「自然風サバイバルエコライフ」のこの記事へ。

さて、上臼のどこを削るか。

三人で相談の結果、上臼を横から見て中央の部分を削り、くびれた形にすることにした。円筒形も美しいのだが仕方がない。上臼の上部を切断して短くするというアイデアもちらりと頭をよぎったが、トリマーでまた削るのが面倒だったのか、誰もそれを主張しなかった。今になって思えばそのほうが楽だったかもしれない(ネタバレ)。

どこまで軽量化できるか確信のないまま、作業に入った。まず、上臼の中央にぐるりとチェーンソーで切れ込みを入れる。ここまで削っていいというしるしである。

(今にして思えばこのまま切り落としてしまっても良かったかもしれない。)

その切れ込みに向かって左右からノミで削る。

削ると書けば一言だが、樫は堅くてなかなか時間がかかる。樫の堅さにもてあそばれ続ける日々だ。ただ、この堅さを削ることには妙な快感があって、それ自体は楽しい。問題はいつまでやればいいのか、出口が見えないことだ。

東と私とで交代しながらカンカン、カンカンやっているうちに大工のカズマさんがやってきた。さすが手つきが違う。気持ちいいリズムでみるみる削っていく。

危惧していたことではあるが、こうやって削ってもそれほど軽量化は進まない。ときどき秤で計量して、うーんと唸りながら作業を続ける。たしか削る前は20キロ近くあったと思う。

この日も寒い。うっすらと積もるほど、雪が降ってきた。

土間に入ってさらに削り続ける。

削りながらYoutubeで陰謀論の動画を見ていた。「私はこうだと思いますが、信じてくれとは言いません」と若いYoutuberが言ってた。こういう言い方って昔からよくあったよね。一番信用してはならないタイプなんだけど信じちゃうやつ。あと、こういう人たちってなぜか声が高くて早口。

15キロをやや下回るほどまで削れた。

これならなんとかいけるんではないか。

と思って試したが、籾はやはり粉々になった。

そんなことを何回か繰り返したのち、上臼と下臼のスペーサーとしてワッシャーを入れてみたりもした。しかし、それでもうまくいかない。

三回にわたって書きながら、完成しなかった。

後日、訪問すると東とカズマさんとで籾摺り臼をさらに削っていた。最初を思えばずいぶん砕ける籾が少なくなりはしたが、それでも籾摺りをするとなるとためらうくらいの量ではある。

「上を切るしかないですねー」

そういう東の横顔に(もうめんどくさい)というメッセージが浮かんでいるように見えたのが気になる。

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